技術人文国際の就労ビザなら正社員として雇用できる

 「ベトナム人なら、うちも受け入れているよ。技能実習生だろ」
 「でも彼らは3年間しかいられない」
 「仕事を覚えた頃にはいなくなる」
 「やっぱり限界あるよね」

いいえ、その技能実習生とは違います。(株)北見式賃金研究所が推進しているのは、技術人文国際の就労ビザです。大学(工学部)を卒業した人なら、技術者(エンジニア)として正社員で日本企業に就職できるのです。
以下に詳述します。

外国人のエンジニアは日本で就労できますか? また、日本で就労するにはどんなビザが必要ですか?

いろいろな制約や条件を満たせば就労可能です。就労ビザとしては「技術・人文知識・国際業務」の就労ビザが代表的で、次のような在留資格になっています。

日本の公私の機関との契約に基づいて行う「理学、工学などの自然科学の分野」「法律学や経済学、社会学などの人文科学の分野」の技術や知識が必要な業務、または外国の文化に基盤がある思考や感受性を必要とする業務に従事する活動

例としては機械工学などの技術者すなわちエンジニアのほか、通訳、デザイナー、語学教師、マーケティング業務などに従事する外国人が該当します。ちなみに、在留期間は5年、3年、1年、3か月があります。

具体的には、どんな仕事が対象になりますか?

職種ごとに定められていて、エンジニアに関連する素形材・産業機械・電気電子情報産業関連製造業では設計・モデリング、技術開発、性能検査・解析、品質管理などが対象です。そのほか、飲食料品製造業では商品開発、試験・解析など、建設業では設計、施工管理技師、調査・検査・測量など、貿易会社や外国人を扱う人材会社では通訳が対象です。

どんな人物なら認められますか?

申請人(雇う予定の外国人エンジニアなど)が図1の要件に該当していることが必要です。なお、図の①、②のケースいずれも「日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること」が必要です。

図1 申請人の該当要件

該当要件
①自然科学や人文科学の分野に属する技術や知識を必要とする業務に従事
該当要件→のいずれか
・その技術や知識に関連する科目を選考して大学を卒業(または日本の専修学校の専門課程を修了)するか、同等以上の教育を受けたこと
・10年以上の実務経験(大学、高等専門学校、高等学校、中等教育学校の後期課程や専修学校の専門課程において、その技術や知識に関する科目を専攻した期間を含む)があること
②外国の文化に基盤がある思考や感受性を必要とする業務に従事する場合
該当要件→のいずれも
・翻訳、通訳、語学の指導、広報、宣伝・海外取引業務、服飾・室内装飾デザイン、商品開発など類似する業務に従事すること
・翻訳、通訳、語学指導の業務に従事する場合を除き、従事しようとする業務に関連する業務について3年以上の実務経験があること

認められなかった例はありますか?

次のような不許可事例があります。1つは工学部を卒業した人から、「コンピュータ関連サービスを業務とする企業との契約に基づいて月額13万5,000円の報酬を受け、エンジニア業務に従事する」という申請があったが、申請人と同時に採用されて同種の業務に従事する新卒日本人の報酬が月額18万円であることが判明したことで不許可となった例です。
また、「電気部品の加工を行う会社の工場で、部品の加工や組み立て、検査、梱包業務を行う」という申請があったが、その工場に在籍していた技能実習生が行う業務のほとんど変わらず、申請人の行う業務が高度な知識を要する業務であるとは認められず不許可となった例もあります。

当社は正社員として雇用したいので、「技術・人文知識・国際業務」で入国した後に「永住許可」ができますか? また、転職してしまう可能性はありますか?

いろいろな条件がありますが、累計10年の就労で基本的に永住許可の申請は可能です。また、外国人の転職は他の日本人と同様に可能です。